
【映画】グレイテスト・ショーマンのあらすじ・キャスト・ネタバレ・感想・評価・レビューなどを徹底解説
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『グレイテスト・ショーマン(原題:The Greatest Showman)』は、2017年公開の伝記ミュージカルドラマ映画。
19世紀に活躍した興行師、P・T・バーナムの成功を描き、ヒュー・ジャックマン主演、監督を務めたマイケル・グレイシーのデビュー作でもあります。
あらすじ(ネタバレ込み)
起:夢追い人の始まり
幼い頃から空想好きなフィニアス・テイラー・バーナムは、貧しい家庭で育ちながらも、将来は成功して妻チャリティと幸せな家庭を築くことを夢見ていた。やがて大人になり、愛するチャリティと結婚するものの、仕事を失い生活は困窮。そんな中、バーナムは一念発起し、人々を驚かせるエンターテイメントショーを作ることを決意する。
承:ショービジネスの成功と新たな挑戦
バーナムは個性豊かな人々を集め、"奇跡のショー"としてサーカスを立ち上げる。ヒゲの女性レティ、体の小さなトム・サム、空中ブランコのアン、黒人兄弟のフィリップなど、多様な才能を持つ仲間たちがショーを支え、やがて成功を収める。しかし、社会からの偏見や批判にさらされながらも、バーナムはさらに名声を得るためにオペラ歌手ジェニー・リンドをプロデュースし、彼女とともにアメリカ各地を巡業する。
転:成功と代償
ジェニーの成功によってバーナムは上流社会からも注目を浴びるが、ショーの仲間たちを顧みなくなり、家族との距離も広がってしまう。さらに、ジェニーはバーナムに好意を寄せるが、彼が家族を愛していると知ると巡業を途中で降りてしまう。追い打ちをかけるように、サーカス小屋は暴動により焼失。すべてを失ったバーナムは、ようやく自分が本当に大切にすべきものを悟る。
結:本当の成功とは
失意の中、バーナムは家族と仲間の元へ戻り、彼らの存在が自身にとって何より大切であることを認識する。仲間たちは彼を受け入れ、フィリップが資金を提供し、新たなサーカスを再建。バーナムはショーの経営をフィリップに託し、愛する家族と過ごすことを選ぶ。そして、新たなショーが幕を開ける中、バーナムは自分の人生が本当に夢見た「グレイテスト・ショー」であることを実感するのだった。
『グレイテスト・ショーマン』キャスト・作品情報

キャスト
役名 | 俳優 |
---|---|
P・T・バーナム P. T. Barnum |
ヒュー・ジャックマン Hugh Jackman |
フィリップ・カーライル Phillip Carlyle |
ザック・エフロン Zac Efron |
チャリティ・バーナム Charity Hallett-Barnum |
ミシェル・ウィリアムズ Michelle Williams |
ジェニー・リンド Jenny Lind |
レベッカ・ファーガソン Rebecca Ferguson ローレン・アレッド(歌) Loren Allred (Singing Voice) |
キャロライン・バーナム Caroline Barnum |
オースティン・ジョンソン Austyn Johnson |
アン・ウィーラー Anne Wheeler |
ゼンデイヤ Zendaya |
W・D・ウィーラー W. D. Wheeler |
ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世 Yahya Abdul-Mateen II |
レティ・ルッツ Lettie Lutz |
キアラ・セトル Keala Settle |
ヘレン・バーナム Helen Barnum |
キャメロン・シェリー Cameron Seely |
フィロ・バーナム Philo Barnum |
ウィル・スウェンソン Will Swenson |
Mr.ウィンスロップ Mr. Winthrop |
ダミアン・ヤング Damian Young |
ウィンスロップ夫人 Mrs. Winthrop |
ティナ・ベンコ Tina Benko |
ジェームズ・ゴードン・ベネット James Gordon Bennett |
ポール・スパークス Paul Sparks |
Mr.オマリー Mr. O'Malley |
エリック・アンダーソン Eric Anderson |
リーズ卿 The Lord of Leeds |
ダニエル・エバーリッジ Daniel Everidge |
フランク・レンティーニ Frank Lentini |
ジョナサン・レダヴィド Jonathan Redavid |
コンスタンティン王子 Prince Constantine |
シャノン・ホルツァプフェル Shannon Holtzapffel |
ベンジャミン・ハレット Benjamin Hallett |
フレドリック・レーン Fredric Lehne |
ハンナ・ハレット Hannah Hallett |
キャスリン・メイズル Kathryn Meisle |
ヴィクトリア女王 Queen Victoria |
ゲイル・ランキン Gayle Rankin |
作品情報
原題 Original Title |
The Greatest Showman |
---|---|
監督 Directed by |
マイケル・グレイシー Michael Gracey |
脚本 Screenplay by |
ジェニー・ビックス Jenny Bicks ビル・コンドン Bill Condon |
原案 Story by |
ジェニー・ビックス Jenny Bicks |
音楽 Music |
ベンジ・パセック Benj Pasek ジャスティン・ポール Justin Paul ジョン・デブニー John Debney ジョセフ・トラパニーズ Joseph Trapanese |
撮影 Cinematography |
シェイマス・マクガーヴェイ Seamus McGarvey |
編集 Edited by |
トム・クロス Tom Cross ロバート・ダフィ Robert Duffy ジョー・ハッシング Joe Hutshing マイケル・マカスカー Michael McCusker ジョン・ポル Jon Poll スペンサー・サッサー Spencer Susser |
製作 Produced by |
ローレンス・マーク Laurence Mark ピーター・チャーニン Peter Chernin ジェンノ・トッピング Jenno Topping |
製作会社 Production Company |
20世紀フォックス映画 チャーニン・エンターテインメント シード・プロダクションズ ローレンス・マーク・プロダクションズ TSGエンターテインメント |
配給 Distributed by |
20世紀フォックス |
公開 | 米:2017/12/20 日:2018/2/16 |
上映時間 | 105分 |
興行収入(世界) | 約4億3,500万ドル |
興行収入(日本) | 52.2億円 |
『グレイテスト・ショーマン』の見どころ
言わずと知れた大ヒット作

『グレイテスト・ショーマン』は、2017年の公開後、瞬く間に世界中で大ヒットを記録し、ミュージカル映画の新たな金字塔となりました。
本作は、第90回アカデミー賞では歌曲賞にノミネートされ、第70回ゴールデン・グローブ賞では最優秀歌曲賞を受賞。その影響力は絶大で、劇中歌「This Is Me」は社会的メッセージを持つ楽曲として大きな話題を呼び、映画の枠を超えて多くの人々に勇気を与えました。
特に日本では、その人気の高さから異例のロングラン上映が行われ、興行収入50億円を突破。さらには、観客が一緒に歌い、踊れる「応援上映」まで実施され、映画館がライブ会場のような熱狂的な雰囲気に包まれるという現象を生み出しました。
これほどまでに幅広い世代に愛され、観る人の心を動かす作品は、まさに「言わずと知れた大ヒット作」と言ってよさそうです。
ミュージカル映画の代表俳優

『グレイテスト・ショーマン』の主演を務めたヒュー・ジャックマンは、すでに『レ・ミゼラブル』(2012年)での圧倒的な歌唱力と演技力により、ミュージカル映画界を代表する俳優としての地位を確立していました。
本作では、その才能をさらに発揮し、P.T.バーナムという実在の人物をエネルギッシュかつ魅力的に演じています。
彼の持つカリスマ性と表現力は、華やかなショービジネスの世界を描く物語に説得力を与え、観客を夢の世界へと引き込みます。特に、劇中歌「The Greatest Show」や「From Now On」では、力強くも繊細な感情表現が光り、スクリーンを通して彼の歌声が響き渡ります。
また、撮影中に喉の手術を受けた影響で、一部のリハーサルでは歌うことを禁じられていたものの、最終的には持ち前のプロ意識と努力で見事なパフォーマンスを披露。ミュージカル俳優としての地位をさらに盤石なものとしました。彼の歌声と演技が融合したパフォーマンスは、本作最大の魅力のひとつと言えると思います。
時流を捉えたテーマ

『グレイテスト・ショーマン』は、ショービジネスの華やかさだけでなく、「多様性」をテーマにした深いメッセージを持つ作品です。
LGBTQ+の人々や身体的な特徴によって社会から疎外されてきた人々が、それぞれの個性を肯定し、自分らしく生きる姿が描かれています。主人公バーナムが立ち上げたサーカス団には、ひげを生やした女性、アルビノの男性、小人症の兵士など、さまざまな個性を持つ人々が集まり、彼らが「見世物」としてではなく、一人の人間として誇りを持って生きることの大切さを伝えています。
その象徴とも言えるのが、劇中歌「This Is Me」です。この曲は、周囲からの偏見や差別に負けず、自分の存在を堂々と肯定する強いメッセージを持ち、多くの観客の心を打ちました。歌詞の中には「私は隠れたりしない」「これが私なんだ」というフレーズがあり、まさに現代におけるインクルージョン(包摂)やセルフ・アクセプタンス(自己受容)を表現しています。迫力ある歌声と力強いパフォーマンスが相まって、映画のクライマックスのひとつとして観る者の胸を熱くさせるシーンになっています。時代が求めるメッセージを、音楽とストーリーを通じて感動的に描き出した点も、この映画の大きな魅力のひとつです。
見るものを圧倒させる歌とダンス

『グレイテスト・ショーマン』の最大の魅力は、圧巻の音楽とダンスパフォーマンスにあります。
本作はすべてオリジナル楽曲で構成されており、観客の心を揺さぶる壮大なメロディーと力強い歌詞が特徴です。特に「This Is Me」「The Greatest Show」「Rewrite The Stars」などの楽曲は、それぞれのキャラクターの想いを表現し、映画の世界観をより鮮明に伝えています。これらの曲は単なる劇中歌にとどまらず、映画の枠を超えて多くの人々に愛され、サウンドトラックは全米ヒットチャートで1位を獲得。さらに日本でも異例のロングヒットを記録し、劇場では観客が一緒に歌って楽しむ「応援上映」が開催されるほどの人気となりました。
また、音楽に合わせたダンスの演出も見どころの一つです。
ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ゼンデイヤをはじめとするキャスト陣は、徹底したダンストレーニングを積み、完璧なパフォーマンスを披露。特に「Rewrite The Stars」で描かれるザック・エフロンとゼンデイヤの空中ブランコを使ったダンスは、ロマンティックでありながらダイナミックな動きで観客を魅了します。さらに、オープニングの「The Greatest Show」では、大勢のダンサーが舞台上を駆け巡る壮大なショーが展開され、観る者を一瞬で物語の世界へと引き込みます。
この映画は、単なるミュージカル映画ではなく、視覚・聴覚の両面で楽しめるエンターテインメント作品。スクリーンからあふれるエネルギーと高揚感に包まれ、観た後には思わず歌いたくなる、そんな魅力が詰まっています。
続編の可能性も!?

主役を演じたヒュー・ジャックマンと監督のマイケル・グレッシーは公開直後より続編の検討・準備を進めていると明言しています。タイトルや公開時は未定ですが、期待大です。最近、海外メディアのインタビューに応じたヒュー・ジャックマンは、「『グレイテスト・ショーマン』が完成するまでに8年がかかった。だから続編はないとは絶対に言えない。あの作品はお気に入りで、そのすべてが大好きなんだ。僕はいつもオープンでいるよ」と続編に前向きであることを明かしています。
『グレイテスト・ショーマン』レビュー・評価
海外での評価
映画とテレビのレビューアグリゲーターであるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)では、今のところ265件のレビューのうち57%が肯定的で、平均評価は6/10と思いのほか高くはありません。
「グレイテスト・ショーマンは、バーナム風の驚異の感覚で観客を魅了しようと懸命に努力しているが、複雑な題材のはるかに興味深い実話を犠牲にしている」となっています。
他にもウェブサイト「Metacritic」には43件のレビューがあり、加重平均値は48/100とこれも低め。
一方でCinemaScoreによる観客の投票では、A+からFの評価基準で平均「A」が付けられています。
日本での評価
映画.comでの評価は1,248件中4.1と高評価。同サイトでのレビューが1,000件を超えるのは珍しく、それだけコメント・評価したい人がたくさんいたということ。
そして映画レビューサイトFilmarksでは49,025件のレビューでも4.1の高評価を獲得。
ページ内で自動生成されている「みんなの反応」では、「映画の歌やダンスのカット割りが素晴らしい」、「ミュージカルの要素がたくさん詰まった作品で、ストーリーも満足」、「歌詞まで響く曲が多く、どの曲も好き」、「自分に正直に生きることが大切なことだと教えてもらった気がした」、「特に、This is meやバーでのシーンが印象的で、感動した」といいコメントばかりとなっています。
『グレイテスト・ショーマン』のトリビア
- 撮影前のリハーサル中、ヒュー・ジャックマンは鼻の皮膚がんの5回目の手術を受け、医師から歌わないように指示されていましたが、プロデューサーに楽曲を披露する場面で我慢できず熱唱し、傷が開いてしまったそう。
- 劇中でザック・エフロンとヒュー・ジャックマンがバーで乾杯し、ショットグラスを机に叩きつけるシーンはアドリブ。予想外の展開にスタッフも驚いたそうですが、そのまま採用されました。
- ゼンデイヤは役作りのためにサーカスの空中ブランコのトレーニングを受け、自らスタントをこなしました。ザック・エフロンとの空中シーンは実際にワイヤーなしで撮影した部分もあります。
- キアラ・セトル(レティ役)が「This Is Me」を初めて披露した際、彼女自身が感極まって泣き出し、周りのキャストも感動して涙を流したそう。
- ヒュー・ジャックマンはバーナムの過去の記録や手紙を読み込み、彼の性格や話し方を研究したそうです。
- 最初のシーンは編集なしのワンカットで撮影する予定でしたが、複雑な振り付けのために一部編集が加えられました。
- 実在のP.T.バーナムの子孫が映画を鑑賞し、「物語のフィクション部分はあるが、祖先のスピリットは完璧に捉えている」とコメントしています。
- 「Rewrite The Stars」のシーンは、監督マイケル・グレイシーが「二人の想いが空間で交差する様子を表現したい」との意向で撮影されました。
- 『ハイスクール・ミュージカル』では一部吹き替えだったザック・エフロンですが、本作ではすべて自身の歌唱で挑み、実力を証明しました。
- 映画の振付を担当したアシュリー・ウォーレンはブロードウェイ出身で、特に「This Is Me」の振り付けは即興で生まれた部分が多いそう。
- 実在のP.T.バーナムはビジネス志向が強かったそうですが、ヒュー・ジャックマンは彼の夢追い人としての側面を強調して演じました。
- 映画の大半のサーカスシーンは実際にセットが組まれ、役者たちは本当に演技をしながらサーカス団員として動いていました。
- クライマックスの「From Now On」のダンスシーンは、キャストのテンションを活かすためにリハーサルなしで撮影されました。
- 最初の脚本ではセリフと歌が半々でしたが、途中で「すべて歌で進行するミュージカル」に変更されました。
- 劇中にはP.T.バーナムが実際に残した名言がいくつか使われており、特に「誰もが輝ける場所がある」というテーマは彼の実際の考えに基づいています。
まとめ
『グレイテスト・ショーマン』について色々まとめてみました。
物語の本質を求めるのであれば難しいですが音楽によって完成された映画な気もします。結果伝記映画ではなくフィクションとして観るととてもおもしろい作品です。
『グレイテスト・ショーマン』は、ディズニープラスであれば無料で視聴可能、U-NEXTやAmazonプライムビデオならレンタルであれば視聴可能。
もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。