
【Netflix映画】シー・ユー・イエスタデイのあらすじ・キャスト・ネタバレ・感想・評価・レビューなどを徹底解説
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『シー・ユー・イエスタデイ(原題:See You Yesterday)』は、2019年にNetflixで配信されたSF映画。
スパイク・リー製作、ステフォン・ブリストル脚本、さらに初の長編監督作品です。
あらすじ(ネタバレ込み)
起:天才高校生の発明
ニューヨーク・ブルックリンに住む高校生CJと親友セバスチャンは、科学の才能に恵まれ、独自にタイムトラベル装置の開発を進めていた。二人はついに試作機を完成させ、実験を繰り返すうちに、短時間だけ過去に戻れることを確認する。
承:兄の悲劇
そんな中、CJの兄カルヴィンが警察の誤射によって命を落とすという悲劇が起こる。納得のいかないCJは、セバスチャンとともにタイムマシンを使い、過去に戻って兄を救おうと決意する。しかし、過去を変えることは容易ではなく、小さな改変が思わぬ結果を招く。
転:過去改変のジレンマ
何度も試みるものの、過去を変えようとするたびに新たな問題が発生し、事態は悪化していく。ある試みでは兄を助けることに成功するが、代わりにセバスチャンが犠牲になってしまう。CJはさらに時間を遡り、すべてを元に戻そうとするが、タイムトラベルのリスクと倫理的な問題に直面し、心が揺れる。
結:終わらない挑戦
最後にCJは再びタイムマシンを起動し、兄もセバスチャンも救うために走り出す。しかし、結果がどうなるのかは描かれず、エンディングは観客の想像に委ねられる。彼女の挑戦は続くのか、それとも新たな悲劇が待っているのか──。
『シー・ユー・イエスタデイ』キャスト・作品情報

キャスト
役名 | 俳優 |
---|---|
クローデット“CJ”・ウォーカー C.J. Walker |
エデン・ダンカン=スミス Eden Duncan-Smith |
セバスチャン・J・トーマス Sebastian Thomas |
ダンテ・クリッチロウ Danté Crichlow |
カルヴィン・ウォーカー Calvin Walker |
アストロ(ブライアン・ブラッドリー) Astro (Brian Bradley) |
フェドラ・ウォーカー Phaedra Walker |
マーシャ・ステファニー・ブレイク Marsha Stephanie Blake |
エドアルド Eduardo |
ジョナサン・ニーブス Johnathan Nieves |
ロックハート先生 Mr. Lockhart |
マイケル・J・フォックス Michael J. Fox |
グロリア Gloria |
マイラ・ルクレティア Myra Lucretia |
デニス Dennis |
ワヴィー・ジョーンズ Wavyy Jonez |
ジャレド Jared |
レイショーン・リチャードソン Rayshawn Richardson |
作品情報
原題 Original Title |
See You Yesterday |
---|---|
監督 Directed by |
ステフォン・ブリストル Stefon Bristol |
脚本 Screenplay by |
フレドリカ・ベイリー Fredrica Bailey ステフォン・ブリストル Stefon Bristol |
原作 Based on |
See You Yesterday by フレドリカ・ベイリー Fredrica Bailey by ステフォン・ブリストル Stefon Bristol |
音楽 Music |
マイケル・アーベルス Michael Abels |
撮影 Cinematography |
フェリペ・バラ・デ・レイ Felipe Vara de Rey |
編集 Edited by |
ジェニファー・リー Jennifer Lee |
製作 Produced by |
スパイク・リー Spike Lee |
製作会社 Production Company |
40エーカー・アンド・ア・ミュール・フィルムワークス |
配給 Distributed by |
Netflix |
公開 | 2019/5/17 |
上映時間 | 87分 |
『シー・ユー・イエスタデイ』の見どころ
短編リメイク作品
『シー・ユー・イエスタデイ』は2017年に短編作品として制作されました。
クローデット“CJ”・ウォーカー役のエデン・ダンカン=スミス、またセバスチャン・J・トーマス役のダンテ・クリッチロウは同じ役を再び演じ、ステフォン・ブリストルによってリメイクされたのがこの作品です。
ステフォン・ブリストルはニューヨーク大学の大学院映画プログラムで、指導者のスパイク・リーに師事していました。もともとは卒業制作映画用だったのが2017年の短編作品です。短編を作り始めてから、長編作品に至るまでは5年もかかっています。
また共同で脚本を担当しているフレディカ・ベイリーとはニューヨーク大学で出会い、同大学の劇作学科に在籍していました。
マイケル・J・フォックスのカメオ出演

CJとセバスチャンが通っている高校の教師役としてマイケル・J・フォックスが出演しています。タイムトラベルものの映画に出演してるというだけでテンションが上がりますね。さらに劇中ではドクの名言のひとつ「Great Scott!」をマイケル・J・フォックスが言うなんてことも。一種のファンサービスのようなものでそれだけでテンションが上がります。
事態は一変する

タイムトラベルものであるとわかる描写からマイケル・J・フォックスの出演と、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のようなSF映画であると期待してしまう展開になっていくかと思いきや、いきなり兄カルヴィンが射殺されてしまうというシリアスムードに。この辺りから社会問題などが見え隠れしますが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』もよく考えればドク殺されてますからね。
量子に基づくタイムトラベル

量子に基づくタイムトラベルでどうしても思い浮かんでしまうのが『アベンジャーズ/エンドゲーム』ですが、過去の自分に会ってはいけないなどのルールはありますし、量子回路基板によって一度行ったタイムトラベルはなかったことにできるなどのルールもあり複雑で入り組んだ説明になっています。
CJは何度も失敗しては、何度もタイムトラベルします。何度も同じことをしようとするためタイムループのような描写にも感じてきますが、その結果違う結果も生じてしまうためなかなか成功しないことに86分という作品の短さがあっという間に感じます。
驚きのラスト

ラストには正直驚かされました。映画もドラマもそうですが、作品の最後でその監督・脚本家なりの結論を描くか、視聴者に判断をゆだねるか、大きく分けて2つのパターンがあるかと思うんですが、この映画はあきらかに後者。
そしてNetflixでもよくある終わり方です。このような形式をとってしまうとどうしても「予算の都合?」と考えてしまいがちですが、ハッピーエンドでもなくバッドエンドでもない複雑な感情になりそうな終わり方です。
監督のステフォン・ブリストルによると、続編となるアイデアはあるものの、意図的にラストシーンの詳細を明かしておらず、「視聴者に未来を想像してほしい」と語っています。
『シー・ユー・イエスタデイ』レビュー・評価
海外での評価
映画とテレビのレビューアグリゲーターであるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)では、今のところ41件のレビューで93%の評価、平均7.3/10と比較的高い評価を得ています。
「『See You Yesterday』は斬新な SF の前提と切迫した社会的意義を融合させ、その組み合わせから刺激的な新しいものを生み出している。主演のエデン・ダンカン=スミスと脚本家兼監督デビューのステフォン・ブリストルの印象的なショーケースとなっている」となっています。
他にもウェブサイト「Metacritic」には9件のレビューがあり、加重平均値は74/100と、同サイトでの70点台は高い方だと言えます。
サイエンスフィクションと社会派ドラマの融合が評価され、2020年のインディペンデント・スピリット賞ではステフォン・ブリストルが最優秀長編映画賞にノミネートされ、フレドリカ・ベイリーと共同で最優秀脚本賞を受賞し、受賞スピーチでスパイク・リーに感謝の意を表しています。
日本での評価
映画.comでの評価は6件中2.5とこちらは低評価と言えます。
映画レビューサイトFilmarksでは455件のレビューで2.9と、こちらも低めの評価。
日本の視聴者は観客に委ねる結末より何かしらの終わりが欲しかったという方も多そうです。
『シー・ユー・イエスタデイ』のトリビア
- 単なるSFではなく、警察の暴力や人種問題をテーマにしており、特に黒人コミュニティが直面する社会的課題を反映しています。
- インディーズ映画ながら、タイムトラベルの特殊効果や未来的なガジェットのデザインに力を入れています。
- CJとセバスチャンが使うタイムマシンは、DIY感がありながらもリアルに見えるよう工夫されています。
- ステフォン・ブリストルはリアルな演技を求め、俳優たちにシナリオにとらわれない自由な演技を許可しました。
- ステフォン・ブリストルの地元でもあるブルックリンを舞台にし、リアルなコミュニティの雰囲気を再現しました。
- スパイク・リーはステフォン・ブリストルに「映画は社会に対する問いかけであるべき」と助言をしたことにより、ステフォン・ブリストルは物語の構成を考え直したそう。
- 『See You Yesterday』というタイトルには「また昨日で会おう」というタイムトラベルの要素と、「もう戻れない過去への後悔」という二重の意味が込められています。
- ステフォン・ブリストルは黒人女性の科学者をリサーチし、CJのキャラクターに落とし込みました。
- タイムトラベル装置の原理は完全なフィクションですが、量子力学やエネルギー変換の理論に基づいた設定になっています。
- 黒人青年が警察に射殺される事件が相次ぐ中、ステフォン・ブリストル監督は「もし過去に戻れるなら救えただろうか?」という発想から本作を生み出しました。
まとめ
『シー・ユー・イエスタデイ』について色々まとめてみました。
たぶん意見の分かれる作品だと思うんですね、しかし私の場合こういった映画は素直に楽しめます。先ほども書きましたが86分は短すぎました。
予算がもっとあれば監督なりの結論を出してほしかったですし、マイケル・J・フォックスは最後まで出演して欲しかったですね。
元々は科学展の話なども出てましたので、ヒットしてくれたら続編も見えてくるのかなと思いました。
Netflix映画のため、Netflixでしか観る事ができませんが、気になった方は是非観て頂きたいです。