
【映画】コマンドーのあらすじ・キャスト・ネタバレ・感想・評価・レビューなどを徹底解説
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『コマンドー(原題:Commando)』は、1985年公開のアクション映画。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演でアクションスターとしての地位を不動のものにしたヒット作です。
あらすじ(ネタバレ込み)
起:元特殊部隊員への脅威
かつてアメリカ軍の特殊部隊「コマンドー」の指揮官だったジョン・メイトリックス(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、今は軍を引退し、愛娘ジェニーと共に静かな山奥で暮らしていた。しかし、かつての部下たちが何者かに次々と殺害される事件が発生し、元上司のカービー将軍がメイトリックスに警告しに訪れる。
その直後、武装した男たちがメイトリックスの自宅を襲撃し、彼の娘ジェニーを誘拐する。犯人の正体は、メイトリックスのかつての部下であり、今は敵対するベネットと、南米の独裁者アリアスだった。アリアスは、メイトリックスに「自分を大統領に復帰させるために、現職の大統領を暗殺しろ」と脅迫する。メイトリックスは娘を人質に取られ、やむを得ず要求を受け入れるふりをする。
承:飛行機からの脱出と戦いの準備
アリアスの部下と共に飛行機で南米へ向かうことになったメイトリックスだったが、離陸直後に機内で見張り役を倒し、貨物室のハッチから海へ飛び降りることで脱出に成功する。彼には制限時間があり、敵に気づかれる前にジェニーを救出しなければならない。
メイトリックスは空港で偶然出会った客室乗務員シンディを巻き込み、彼女の飛行機を利用して敵の動きを追う。シンディは最初は戸惑うが、彼の状況を理解し、協力することを決意。メイトリックスは敵のアジトの場所を突き止めるため、手がかりを持つ男サリーを追跡し、執拗な尋問の末に情報を聞き出す。
転:敵地への単独潜入
敵の武器庫に潜入したメイトリックスは、大量の武器や爆薬を奪い、ボートで敵の基地へと向かう。そして、単身でアリアスの本拠地に乗り込み、銃撃戦を繰り広げながら敵兵を次々と倒していく。
一方、監禁されていたジェニーは、自力で脱出を試みるが、ベネットに再び捕まってしまう。メイトリックスは敵の兵士たちを片っ端から倒しながらジェニーの元へと急ぐ。
結:最終決戦と父娘の再会
ついにメイトリックスはアリアスを撃ち倒し、残るは宿敵ベネットとの一騎打ちとなる。激しい肉弾戦の末、メイトリックスはベネットをパイプに突き刺し、完全に撃破。
娘ジェニーを救出し、すべての敵を倒したメイトリックスは、駆けつけたカービー将軍から「軍へ戻らないか」と誘われるが、これを拒否。彼はジェニーと共に、再び平穏な生活へと戻るのだった。
『コマンドー』キャスト・作品情報

キャスト
役名 | 俳優(吹替) |
---|---|
ジョン・メイトリックス Colonel John Matrix |
アーノルド・シュワルツェネッガー Arnold Schwarzenegger (玄田哲章) |
シンディ Cindy |
レイ・ドーン・チョン Rae Dawn Chong (土井美加) |
ジェニー・メイトリックス Jenny Matrix |
アリッサ・ミラノ Alyssa Milano (岡本麻弥) |
ベネット Captain Bennett |
ヴァーノン・ウェルズ Vernon Wells (石田太郎) |
フランクリン・カービー将軍 Major General Franklin Kirby |
ジェームス・オルソン James Olson (阪脩) |
サリー Sully |
デヴィッド・パトリック・ケリー David Patrick Kelly (田中亮一) |
クック Cooke |
ビル・デューク Bill Duke (坂口芳貞) |
アリアス元大統領 Arius |
ダン・ヘダヤ Dan Hedaya (小林勝彦) |
ローソン Lawson |
ドリュー・シュナイダー Drew Snyder (千田光男) |
レスリー Leslie |
シャロン・ワイアット Sharon Wyatt (叶木翔子) |
フォレスタル Forrestal |
マイケル・デラノ Michael Delano (秋元羊介) |
エンリケス Henriques |
チャールズ・メシャック Charles Meshack (田原アルノ) |
ディアズ Diaz |
ゲイリー・セルヴァンテス Carlos Cervantes (西村知道) |
ジャクソン Jackson |
ボブ・マイナー Bob Minor (幹本雄之) |
ヴェガ Vega |
ブランスコム・リッチモンド Branscombe Richmond (荒川太郎) |
フレッド Fred |
マット・ランダーズ Matt Landers (大滝進矢) |
ダリル Daryl |
ピーター・デュポン Peter DuPont (西村知道) |
ビッキー客室乗務員 brunette stewardess |
チェルシー・フィールド Chelsea Field (岡のりこ) |
スーザン・ランス客室乗務員 brunette stewardess |
ジュリー・ハエック Julie Hayek (堀越真己) |
ビッグス警備員 Biggs |
グレッグ・ウェイン・イーラム Greg Wayne Elam (石塚運昇) |
ケイツ警備員 Cates |
ウォルター・スコット Walter Scott (千田光男) |
沿岸警備艇レーダー迎撃士官 Intercept Officer |
ビル・パクストン Bill Paxton (石塚運昇) |
作品情報
原題 Original Title |
Commando |
---|---|
監督 Directed by |
マーク・L・レスター Mark L. Lester |
脚本 Writing Credits (Screenplay by) |
スティーヴン・E・デ・スーザ Steven E. de Souza |
原作 Writing Credits (Story by) |
ジョセフ・ローブ三世 Joseph Loeb III マシュー・ワイズマン Matthew Weisman スティーヴン・E・デ・スーザ Steven E. de Souza |
音楽 Music |
ジェイムズ・ホーナー James Horner |
撮影 Cinematography |
マシュー・F・レオネッティ Matthew F. Leonetti |
編集 Edited by |
マーク・ゴールドブラット Mark Goldblatt グレン・ファー Glenn Farr ジョン・F・リンク John F. Link |
製作 Produced by |
ジョエル・シルバー Joel Silver |
製作会社 Production Company |
シルバー・ピクチャーズ |
配給 Distributed by |
20世紀フォックス |
公開 | 米:1985/10/4 日:1986/2/8 |
上映時間 | 90分 |
興行収入(世界) | 約5750万ドル |
興行収入(日本) | 約11億円 |
『コマンドー』の見どころ
とにかく撃ちまくり!

2014年に発表された映画俳優が、生涯出演作のなかで殺害した人間の数に基づいたランキングで、アーノルド・シュワルツェネッガーは1位となりました。
そのうち、1作品中で最も多くの人を殺害したのは「コマンドー」で、74人だったと言われています。
物語の後半、完全武装して孤島に乗り込み、大挙して襲い掛かるアリアスの軍勢を1人でひたすら殺しまくってるんです。
公開後やテレビで反映に放映されていた当時は子供だったので、顔に何を塗っているのかわかりませんでしたが、この準備するシーンが最高にかっこいいんですよね。
アクション重視なのか脚本に無理がある
劇中で愛娘・ジェニーの母親についての話は一切触れていません。

また軍を退役してどれくらい経過したのかも描かれていません。娘と父親が山奥で暮らすって結構な経緯がないとそこに行きつかない気もするのですが、それもこれもアーノルド・シュワルツェネッガーのための製作で脚本はそこに重きを置かなかったからとしか言えないのですが、見れば見るほど拭えない疑問になってしまいました。
そしてシンディ。

空港でバル・ベルデ便の離陸を監視していた一味の1人・サリーを追うメイトリックスは、サリーに口説かれていた客室乗務員・シンディの車に近づくといきなり助手席を腕力で取っ払い、強引に後をつけろと言います。
その後結局シンディの車は使えない状態になっちゃいますが、結局文句言わず協力するなんで、なんて優しいんでしょうか(笑)。
またメイトリックスの見張りとしてバル・ベルデ行きの旅客機に乗り込んだエンリケスはわずか数分でメイトリックスに首の骨を折られます。
そして絶妙な角度で寝ているかのように見せ、起こすなと言われ11時間ほったらかし。
キャラクターとしてはかわいそすぎるくらい秒殺でしたね。

結局エンリケスは、旅客機で即効殺されるにも拘らず目的地まで行けちゃうというミラクルを成し遂げました。
字幕版より吹き替え版の方がおもしろい
ネットではカルト的とも言える人気にまでなった理由のひとつがおそらく吹き替えによるおもしろいセリフのオンパレードであること。
コマンドー名言とかコマンドー語録とまで言われています。
見るなら吹き替え版がおすすめです。
また80年代のアクション映画の特徴として、「約2時間以内で終わる作品が多い」というのがあります。
90分から110分前後が一番多いんじゃないでしょうか。
90年代に入ると長い方がおもしろいという風潮もあって少しずつ長くなっていったような気がします。
時間も短いのでストーリーも単純明快、即行動、即解決。と非常にわかりやすいですよね。
その分細かい描写がないから、先述のような疑問も出てしまいますが。
よーく考えるとメイトリックスは殺人や強盗の極悪犯
いくらジェニーを助けるためとはいえ、器物損壊、強盗、殺人と犯罪を犯しまくってるのになぜか正当化されているようにも。
しかしそのほとんどはフランクリン・カービー将軍が後始末をして回っていますので、すべて免除されてるんでしょうね。

ショッピングモールでの警備員との格闘シーンがおもしろい
サリーを追いかけてメイトリックスとシンディはショッピングモールへ向かいます。
そこでメイトリックスはサリーに存在がバレてはいけないので、シンディにサリーが入った店に行くよう頼み、メイトリックスは柱の陰で待つことに。
しかし信用していないシンディは警備員に声をかけ、メイトリックスを捕まえるようにお願いしてしまいます。
そこで警備員はメイトリックスに近づき、サリーもメイトリックスに気づきとてんやわんやになるのですが、ここでサリーを捕まえたいのに警備員が邪魔で仕方がないメイトリックスは警備員を蹴散らすのですが、その際に大勢の警備員が取り囲んだメイトリックスは…

この絵が芸人が集まってひとボケかましたような構図にしか見えず、個人的なツボのひとつなんですよね。
『コマンドー』レビュー・評価
海外での評価
映画とテレビのレビューアグリゲーターであるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)での評価は35件のレビューに基づく71%もの前向きなレビューで6.05/10とまずまずの評価。
Metacriticでは7件のレビューに基づくこのフィルムの平均スコアは100点中51点と少し弱いですが、ユーザースコアは33件のレビューで7.5/10と悪くない数字です。
評論家の評価としては設定上のことを考えるとどうしても高い評価をつけにくいのかもしれませんが、視聴者の立場としてはアクションが面白ければおもしろいっていう評価をしているような印象です。
日本での評価
映画.comも同様で63件中3.8とこちらも平均的な評価と言えます。
映画レビューサイトFilmarksでは3,000件のレビューで3.8と、こちらも平均より少し高い評価の印象です。
『コマンドー』のトリビア
- 当時子役だったアリッサ・ミラノは後にインタビューで、アーノルド・シュワルツェネッガーは非常に面倒見がよく、宿題も手伝ってくれたそうです。
- 映画監督のスティーヴン・E・デ・スーザの作品に度々出てくる国家バル・ベルデ。ジョエル・シルバーがプロデュースしている作品でも使用されていて、『コマンドー』の他に『プレデター』、『ダイ・ハード2』で登場しています。
- 撮影で使用されたショッピングモール、シャーマン・オークス・ガレリアは後に『ターミネーター2』でも使用されました。
- アーノルド・シュワルツェネッガーとレイ・ドーン・チョンはラブシーンを撮影していましたが、カットされています。そのせいで2人の関係性について説得力がなくなってしまっています。
- 最後の銃撃戦で使用された大邸宅は、『ビバリーヒルズコップ』の最後の銃撃戦で使用された大邸宅と同じ場所で撮影されています。偶然にも、マトリックスとフォーリーの両方がそれぞれの映画でその邸宅のジェニーという名前の誰かを救出しようとしていました。
- 飛行機の中でヘンリケスを殺害するシーンは陸軍のコンサルタントから動きを教わったそうです。
- ベネット役は当初、ヴァーノン・ウェルズはオーディションに落ちてしまい、ウィングス・ハウザーが採用されていましたが、撮影初日に解雇されたため、ヴァーノン・ウェルズが起用されました。衣装を作り直す時間がなく、ウィングス・ハウザーのサイズに合わせていたため、ウィングス・ハウザーよりもサイズが大きいヴァーノン・ウェルズが着るとピチピチになってしまいましたが、そのまま撮影されました。これが服装がピチピチな理由だそうです。
- ジョン・メイトリックス役は当初、アーノルド・シュワルツェネッガーではなくニック・ノルティだったそうです。
- 映画監督のジョン・マクティアナンは当初この映画を監督する機会を与えられましたが断ったそう。後に『プレデター』の監督を務めています。
- ジェニー役のオーディションには、ウィノナ・ライダー、シャネン・ドハーティ、エリザベス・シュー、ドリュー・バリモア、ジェニファー・コネリー、パトリシア・アークエットなどそうそうたる女優が参加していました。
まとめ
ツッコミポイントも多い『コマンドー』ですが、おもしろさは多くの人が認めてるアクション映画。
以前はHuluでも見る事ができたんですが今はディズニープラスでしか観られないようです。DVDやブルーレイをお持ちの方はそろそろ見たい時期なのでは(笑)?!
もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。