
【OVA】バットマン:ダークナイト・リターンズのあらすじ・キャスト・ネタバレ・感想・評価・レビューなどを徹底解説
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『バットマン:ダークナイト・リターンズ(原題:Batman: The Dark Knight Returns)』は、2012年~2013年にかけて公開された2部構成のスーパーヒーロー映画。
1986年に出版されたコミック「バットマン:ダークナイト・リターンズ」を原作とした2部作のオリジナル・ビデオ・アニメーション(OVA)です。
あらすじ(ネタバレ込み)
PART 1
起:長い沈黙を破るバットマン
ブルース・ウェインは老年に達し、バットマンを引退していた。彼の故郷ゴッサムシティは、犯罪が蔓延し、ミュータントと呼ばれる暴力的なギャング集団が街を支配している。ブルースは日常生活を送りながらも、犯罪への怒りと自分の無力感に苦しむ。
承:バットマンの復活
ゴッサムの治安がさらに悪化し、ブルースはついにバットマンとしての活動を再開する。復帰後、ミュータントを含む犯罪者たちと戦い、市民に希望を与えるが、同時に警察やメディアからも賛否両論を受ける。また、若い少女キャリー・ケリーが新たなロビンとしてブルースに協力する。
転:ミュータントのリーダーとの対決
バットマンはミュータントのリーダーに挑み、泥沼の戦いを繰り広げる。最初の戦いでは苦戦を強いられるが、戦略を練り直して再戦。ゴッサム市民の前でリーダーを倒し、ミュータントたちの勢力を崩壊させる。
結:さらなる危機の予兆
ミュータントの脅威が収束する中、バットマンの復活はゴッサム全体に波紋を広げる。一方、精神病院に収容されていたジョーカーが、バットマン復帰のニュースを聞き再び行動を開始する兆しを見せ、物語は次の章へと続く。
PART 2
起:ジョーカーの復活
ジョーカーが精神病院を脱走し、テレビ番組で凶行を計画する。一方、政府はバットマンの復活を問題視し、スーパーマンを派遣して彼を制止しようとする。ブルースはジョーカーの動きを察知し、再び彼を止めるために動き出す。
承:ジョーカーとの最終決戦
ジョーカーは多くの市民を巻き込んだ惨劇を引き起こし、バットマンとの死闘を繰り広げる。最終的にジョーカーはバットマンに敗北するが、戦いの中で自ら命を絶つ。彼の死によってバットマンはさらなる批判を浴び、政府の圧力は強まる。
転:スーパーマンとの衝突
スーパーマンがバットマンを止めるためにゴッサムへやってくる。政府の手先として動くスーパーマンと、自由を信じるブルースの間で激しい衝突が起こる。ブルースは新たな技術を駆使してスーパーマンと戦うが、戦闘は両者に大きな負担を強いる。
結:ブルースの新たな決意
戦いの中でブルースは、自らの死を偽装して姿を消す。彼の死を信じたゴッサムとスーパーマンは、彼がいなくなった世界で新たな秩序を模索する。一方、ブルースは地下に潜り、キャリーや新たな仲間たちとともにゴッサムの未来を見守りながら、新たな戦いへの準備を始める。
『バットマン:ダークナイト・リターンズ』キャスト・作品情報
キャスト
役名 | 俳優(voice) |
---|---|
ブルース・ウェイン(バットマン) Bruce Wayne (Batman) |
ピーター・ウェラー Peter Weller |
キャリー・ケリー(ロビン) Carrie Kelley (Robin) |
アリエル・ウィンター Ariel Winter |
ジェームズ・ゴードン James Gordon |
デヴィッド・セルビー David Selby |
アルフレッド・ペニーワース Alfred Pennyworth |
マイケル・ジャクソン Michael Jackson |
ハービー・デント(トゥーフェイス) Harvey Dent (Two-Face) |
ウェイド・ウィリアムズ Wade Williams |
ジョーカー Joker |
マイケル・エマーソン Michael Emerson |
トーマス・ウェイン Thomas Wayne |
ブルース・ティム Bruce Timm |
エレン・イン本部長 Ellen Yindel |
マリア・キャナル・バレーラ Maria Canals-Barrera |
ラナ・ラング Lana Lang |
パジェット・ブリュースター Paget Brewster |
クラーク・ケント(スーパーマン) Clark Kent (Superman) |
マーク・バレー Mark Valley |
オリバー・クイーン(グリーン・アロー) Oliver Queen (Green Arrow) |
ロビン・アトキン・ダウンズ Robin Atkin Downes |
セリーナ・カイル Selina Kyle |
トレス・マクニール Tress MacNeille |
レーガン大統領 President |
ジム・メスキメン Jim Meskimen |
デビッド・エンドクリン David Endocrine |
コナン・オブライエン Conan O'Brien |
作品情報
原題 Original Title |
Batman: The Dark Knight Returns |
---|---|
監督 Directed by |
ジェイ・オリヴァ Jay Oliva |
脚本 Writing Credits (Screenplay by) |
ボブ・グッドマン Bob Goodman |
原案 Writing Credits (Based on) |
The Dark Knight Returns by フランク・ミラー Frank Miller クラウス・ジャンソン Klaus Janson |
音楽 Music |
クリストファー・ドレイク Christopher Drake |
編集 Edited by |
クリストファー・D・ロジンスキー Christopher D. Lozinski |
製作会社 Production Company |
ワーナー・プレミア DCエンターテインメント ワーナー・ブラザース・アニメーション MOIアニメーション(アニメーション・サービス) |
配給 Distributed by |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
公開 | 米:(Part 1) 2012/9/25 (Part 2) 2013/1/29 日:2016/2/24 |
上映時間 | (Part 1) 76分 (Part 2) 76分 |
『バットマン:ダークナイト・リターンズ』の見どころ
引退するまでの経緯を把握しておくべき
(ブルース・ウェイン / バットマン)の声優をピーター・ウェラーが務め、スーパーヒーローが非合法化され、バットマンを引退して10年が経ち、55歳になったブルース・ウェインが再びバットマンとして活動する話で、原作では続編も描かれていますが、アニメ作品になったのはバットマン:ダークナイト・リターンズだけ。
原作に忠実に描かれ、米国政府のエージェントとなったスーパーマン(クラーク・ケント)や非合法化に反対のグリーン・アロー(オリバー・クイーン)、さらにキャット・ウーマン(セリーナ・カイル)も登場しますので、実写作品ばかりを見てきた方には非常に新鮮な作品だと思います。
2代目ロビンのジェイソン・トッドがジョーカーに殺されてしまい、引退していたブルース・ウェイン。
ここは原作では説明がありますがアニメの方では細かい描写があまりないので、事前に知っておいた方がいいかと思います。
アルフレッドはめっちゃ長寿ですが健在で、95歳でもバットケイブ内で活動できるほど元気です。
ブルース・ウェインがケガをした際には手術まで行っています。

それぞれのキャラクターの未来
この物語でのスーパーマンは、自身を道具として扱う政府を軽蔑しながらも政府の言いなりになっています。バットマンに説こうとする道理も見解が分かれるかもしれません。
なぜ2人が戦う羽目になってしまうのか。
この点もOVAを見る上でのポイントになります。
またセリーナ・カイルも歳をとってキャットウーマンを引退して、エスコートビジネスを経営しています。昔の面影は有りません。
そこにジョーカーがやってきて薬を盛られてしまうんですが、バットマンが見つけた頃にはなぜかワンダーウーマンの格好をさせられているというジョーク?があり、ここは意図がよく理解できませんでした。

そしてこちらも具体的な明言は有りませんが、グリーン・アローはスーパーマンのせいで左腕を失っています。

この未来はアローバースとしてお馴染みのDC海外ドラマ『レジェンド・オブ・トゥモロー』で一部インスパイアされて描かれています。ドラマでは2046年という設定でしたが、グリーン・アローの未来は左腕を失っているという設定を継承しています。

映画からのインスパイア
映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』ではバットマンとスーパーマンが戦うシーンがありますが、この時のバットマンは、スーパーマンと互角に戦うためパワードスーツを着用しています。このシーンからインスパイアされたのか、映画でもほぼ同様のシーンが。
映画ではクリプトナイトを用いてバットマンは優勢になりますが、OVAではグリーン・アローがクリプトナイトを含んだ矢を放ち、スーパーマンにダメージを与えます。


また核弾頭による電磁パルスの影響でアメリカ中が停電になるシーンでは、バットマンとロビンはミュータント団や「バットマンの息子」と呼ばれる集団と共にゴッサムシティの混乱を鎮圧するのですが、その様が映画『ダークナイト・ライジング』の最後のシーンと同じように見えるんですよね。そしてラストも。
決して同じ内容ではありませんが、設定や流れを継承しつつ映画はオリジナルに成立しているので、その違いを見つけるのも楽しみ方のひとつだと思います。

他のキャラクターも大活躍
パート1では原作でもフランク・ミラーのダークナイト3部作にしか登場しないキャラクター、キャリー・ケリーが登場。わずか13歳の少女で、ミュータント団と呼ばれているギャングからバットマンに救われ、模造品のロビンのコスチュームを買って、バットマンを助ける為に彼を探し出します。
具体的な設定がないため、その強さは未知数ですが、特に何もしていない女の子がいきなりロビンになって活躍するには少し設定が斬新。

パート2ではジョーカーが精神病院を脱走し、テレビ番組で凶行を計画。その番組はNBCで1954年から放送されている長寿番組『ザ・トゥナイト・ショー』をモチーフにしていて、過去を悔いているふりをしながらゲストとして出演します。

実際に放送されているThe Tonight Show(ザ・トゥナイト・ショー)はこのような番組です。

このようにほとんど一緒です。パート2は前半がジョーカーとの対決、後半がスーパーマンとの対峙と大忙しのストーリーになっています。
2部作両方見ると絶対続編が見たくなる!
どの映画でも描かれていないであろう原作の続編、『バットマン: ダークナイト・ストライクス・アゲイン』と『バットマン: ダークナイト・マスター・レース』は現時点でOVA化の予定はないみたいで、原作を英語でも読める方は必ず続きが見たくなるはず。私も読みたいのですが英語は読めないのでOVA化に期待しています。
『バットマン:ダークナイト・リターンズ』レビュー・評価
海外での評価
映画とテレビのレビューアグリゲーターであるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)での評価は、パート1の方が5件のレビューに基づく100%もの前向きなレビューで7.9/10とまずまずの評価。オーディエンスでは8,540件のレビューで4.4/5とかなりの高評価。パート2は評論家によるレビューはありませんでしたが、オーディエンスの評価は5,877件の94%もの前向きなレビューがありました。
IMDbでは、パート1が51,405件のレビューで8.0/10とかなり高い評価。パート2も44,733件のレビューで8.4/10と高評価を記録しています。
日本での評価
映画レビューサイトFilmarksでは、パート1が108件のレビューで3.7、パート2が96件で3.9と高めの評価。
Amazonでのブルーレイの評価はパート1が625件のレビューで4.7、パート2が684件で同じく4.7とかなり高い評価ですが、ブルーレイを購入してまで好きな層の評価だと思うので、ほぼ満点でも当然と言えば当然かもしれません。
『バットマン:ダークナイト・リターンズ』のトリビア
- コミッショナーがバットマンと連絡を取るために使用する赤い電話は、1960年代のテレビシリーズに登場したものと同じデザインとビープ音を備えています。
- 2000年代初頭、ヒューズ兄弟に実写版を監督するチャンスを与えられましたが、プロジェクトは実現しませんでした。彼らはクリント・イーストウッドにブルース・ウェイン/バットマンを演じてもらいたかったそうです。イーストウッドは当時70代前半でしたが、コミック版のバットマンは55歳という設定でした。
- バットマンはトゥーフェイスを追跡中に撃たれ、胸を撃たれるシーンがありますが、原作では、バットのシンボルの下にある鎧の一部が明らかになり、バットマンは胸に明るい黄色の標的があるのはそのためだと独り言で言います。狙撃兵が、より脆弱な場所ではなく狙える場所を与えるためのようです。
- 子供向けのマーケティング上の理由から、グラフィック・ノベルでゴードン委員長が葉巻を吸っているシーンはニコチンガムに置き換えられています。ゴードン委員長は実際にこのことについて、「妻に葉巻をやめるように言われた」と説明しています。
- バットマンがミュータントを壁の向こうに引きずり込むシーンは、『ロボコップ(1987)』でロボコップがガンマンを壁の向こうに引きずり込むシーンと酷似しています。これはどちらの役もピーター・ウェラーが演じています。フランク・ミラーはピーター・ウェラー主演の『ロボコップ2(1990)』の脚本も書いています。
- フランク・ミラーのグラフィック・ノベル『ダークナイト・リターンズ』はもともと2部構成で製作されたが、ワーナー・ホーム・ビデオはそれを1本のビデオ直販アニメ映画『バットマン:ダークナイト・リターンズ - デラックス・エディション』に再編集して発売しています。
- 若いミュータントがコンビニに入ると(ゴードン本部長と銃撃戦になる前)、『サンドマン』、『スワンプシング』、『Vフォー・ヴェンデッタ』、『ウォッチメン』のグラフィック・ノベルが目に入ります。これらのグラフィック・ノベルはすべてDCの作品です。アラン・ムーアは『Vフォー・ヴェンデッタ』と『ウォッチメン』を執筆、制作し、後に『スワンプシング』コミックをリブートしました。
- バットシグナルは雲に向かって投影されるのではなく、高層ビルの側面に向かって投影されます。2017年に『バットマン(1966)』の俳優アダム・ウェストが亡くなったとき、ロサンゼルス市庁舎の塔にバットシグナルが投影されました。
- 『バットマン: ダークナイト リターンズ』は、デザイナーのヴィンセント・コナールがComic Sansフォントを作成するきっかけとなった2冊のコミックのうちの1冊で、もう1冊は『ウォッチメン』です。
- フランク・ミラーのバットマンの世界では、スーパーヒーローは政府にとって問題となっています。政府に協力していたスーパーマンは、彼の目立つ姿勢が本質的に政府の注目を奪っていると告げられ、公衆の目から身を引いて奉仕を続けながらも、意図的に露出を避けています。ダークナイト・シリーズは1980年代を舞台としているため(レーガン大統領の時代、過激なファッションなどから明らか)、保守主義へのシフトが人々の態度に反映されています。スーパーマンは保守主義の代理人となり、一方、抑制に対する反抗の象徴であったバットマンは犯罪との戦いから引退しています。
まとめ
インスパイアされた作品を見た後でこの作品を知ったので、もう一度映画の方を見直してみたくなるし、やっぱり続きが見たくなります。
『バットマン:ダークナイト・リターンズ』はAmazon Primeで見る事が出来たので、もしこの記事をご覧になった方で印象的なシーンなどありましたら、是非コメントお待ちしてます。
- Batman: The Dark Knight Returns, Part 1 (2012) - IMDb
- Batman: The Dark Knight Returns, Part 2 (2013) - IMDb
- Batman: The Dark Knight Returns (film) - Wikipedia
- バットマン:ダークナイト・リターンズ (アニメ) - Wikipedia
- バットマン:ダークナイト リターンズ Part 1 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 - Filmarks映画
- バットマン:ダークナイト リターンズ Part 2 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 - Filmarks映画